【続】Am I What Colors?ー現姫の戦いー
忘れてたけど……私、あの変態男…聖夜に、頭殴られてたんだった。
ただでさえ出血多量で死にそうなのに、ここまでされたら……
さすがに死ぬよ…
「咲、誇…お前まさか、頭も……!?」
同じく地面に膝をついた蓮央が、私の頭に触れる。
まだ完全に止まりきっていない、頭から流れる血。
思い出した途端、頭がぼんやりしてくる。
「大、丈夫……。大したこと、ないよ」
「ふざけんな…大丈夫なわけないだろ!!
真浩、歩!救急車呼べ!!」
「はい!!」
真浩と歩が駆け出そうとした、その時。
──バンッ!!
「っあ゙…!!?」
発砲音とともに、激痛が全身を貫く。
右足のふくらはぎを撃たれたみたい。
ドクンドクンと脈打っているのが分かる。
「咲誇!!」
「動けばトドメを刺すと言ったはずだが」
冷たい目で私を睨み、組長はまた銃口を向けた。
「……見たところ、その女は頭にも酷い怪我を負っているな。このままでは死ぬだろう」
「っ、…お前っ!!!」
蓮央が組長を殴ろうと拳を作る。
でも。
「殴るなら殴れ。その前に女が死ぬだけだ」
蔑むように発せられた言葉に、踏み出しかけた蓮央の足がピタリと止まった。
唇を噛み締めて小刻みに震えているのが分かる。
「最初からそうすればいいんだ」
その様子に満足したのか、組長はピストルを私に向けたまま諒真さんの方を向いた。