【続】Am I What Colors?ー現姫の戦いー
「…諒真。お前には、私の考えていることがもう分かっているはずだ」
「……俺が跡を継げば、さっきーを助けてくれるってわけですか」
「その通りだ。逆に言えば、お前が断れば即刻殺す」
はっ……卑怯すぎるでしょ、この男…
でもこれが、裏の世界のやり方。
自分の思い通りにするためなら、手段は選ばない。
「さぁどうする?迷っている暇はない。この女のタイムリミットは…せいぜい1時間だ」
まるでゲームをしているかのように楽しげに言う組長。
諒真さんの顔にも、迷いが見える。
……何してるんだろう。
迷うことなんて、ないのに。
「諒真さん……」
「さ、さっきー……」
「迷うことなんて、ないよ…っゔ……!」
諒真さんに手を伸ばすと、脇腹がズキンと痛んだ。
自分でも分かる。
今は意地で意識を保っているけど、気を抜いた瞬間……死ぬ。