【続】Am I What Colors?ー現姫の戦いー
──ガシャンッ!!
いきなり響いた、何かが割れる音。
「…あのさ、俺、アンタにずっと言いたかったことがあるんだよね」
そう言って、ガラス棚に拳を突き刺しているのは、他でもない……諒真さん。
俯いたまま口角を上げて笑っているけど……
「アンタみてぇなクズに、俺の仲間は殺られやしねぇんだよ」
目が、すわっている...。
冷たく闇を纏った漆黒の瞳を揺らすことなく、諒真さんは組長へさらに近付く。
さすがに身の危険を覚えたのか、組長は尻餅をついたまま後ずさりをはじめた。
「諒真、何する気だ……!」
「大切な仲間をクズ呼ばわりしやがって…。絶対に許さねぇ」
「り、諒真、やめろ!!」
「……俺は何度もそう言った。でもアンタは、笑いながら、兄さんやさっきーを撃ちやがった」
「わ、悪かった!!謝るから、だから……」
「……ホント、クズだな。こんなのが俺の実父だなんて、信じたくねぇ」
ハハ、と乾いた笑いを零して、諒真さんは血を垂らしながら拳を作る。
そしてそれを……大きく、振りかぶった。
あの諒真さんに殴られたら、確実に脳震盪を起こして気絶するだろう。
悪くしたら死ぬかもしれない。
怒りに我を忘れた諒真さんを、止めないと……!!
そう思うのに、体は動かない。
声も出ない。
「俺の仲間が受けた痛みを、少しは知れ」
「ひっ……!!」
振りかぶった拳が、振り下ろされる……