【続】Am I What Colors?ー現姫の戦いー
chapter11 再会
□戻る日常、変わる日常
シンとした、真っ白な部屋。
壁も天井もベッドもシーツも、何もかもが真っ白なその部屋を染めたのは……彼らだった。
「ぶぉわあぁぁっ!!?何だこれ、不良品かよ!!」
「何してんだよお前!!来て早々に見舞い品をぶちまけるバカがどこにいんだよ!!」
「ここにいるだろ!!つーか見舞い品でビールもって来る馬鹿はどいつだ!!」
「あー、俺っす」
「「歩かよ!!!」」
…うるさい……。
個室だとはいえ、こんなに騒いだらナースステーションに聞こえるでしょ……
諒真さんが思い切り床にこぼしたビールを眺めながら、苦笑いする。
「うっせーよ、お前ら……。怪我人の前で大声出してんじゃねぇよ」
蓮央も呆れて諒真さんと圭太を鎮め、私の頭を撫でた。
「咲誇、体調はどうだ?」
「順調だよ。傷ももう塞がったし痛くないし。あとは退院許可を待つだけ」
「そうか……よかった。あのロリコン医者から『ヤバイ』って言われたときは殴り飛ばしそうになったけど、心配ないな」
蓮央が言う『ロリコン医者』とは、私の担当の矢崎先生。
若くてイケメンだからか、沢山の人からアプローチを受けているみたいだけれど、本人は未だ独身だ。
そして何故か、蓮央は知らない間に矢崎先生をライバル視している。