【続】Am I What Colors?ー現姫の戦いー




その様子を見て、矢崎先生はまたクスクス笑った。



「若いですね、からかいがいがある」


「……先生って、実はドSですよね」


「何のことですか?では、検診に移りましょう」



そう言って私の腕をまくり、脈をとりはじめる先生。



……確かに、かっこいいとは思う。


シャープな顎も、通った鼻筋も。

その横顔はかっこいい…けど。


私にはひとつ、確かめたいことがある。



「矢崎先生」


「何ですか?」


「矢崎先生って……もしかして、好き…ですよね?」


「……誰をですか?」



先生は、そう言ってとぼけるけれど。


私は、見ちゃったよ?



矢崎先生のその端正な顔が……少しだけ、こわばったのを。




< 415 / 447 >

この作品をシェア

pagetop