【続】Am I What Colors?ー現姫の戦いー
その様子を見て、矢崎先生はまたクスクス笑った。
「若いですね、からかいがいがある」
「……先生って、実はドSですよね」
「何のことですか?では、検診に移りましょう」
そう言って私の腕をまくり、脈をとりはじめる先生。
……確かに、かっこいいとは思う。
シャープな顎も、通った鼻筋も。
その横顔はかっこいい…けど。
私にはひとつ、確かめたいことがある。
「矢崎先生」
「何ですか?」
「矢崎先生って……もしかして、好き…ですよね?」
「……誰をですか?」
先生は、そう言ってとぼけるけれど。
私は、見ちゃったよ?
矢崎先生のその端正な顔が……少しだけ、こわばったのを。