【続】Am I What Colors?ー現姫の戦いー
□過去にさよなら
私が退院して、少し経ったある日。
「咲誇...
ちょっと連れて行きたい所がある」
蓮央にそう言われて、彼のバイクに揺られること数時間。
着いたのは、緑が溢れるどこかの施設だった。
『緑ヶ丘 青年の家』──...
施設の看板には、そう書いてあった。
「ここは......」
「あの戦いの時、言ったろ。翠斗に会わせたいって、さ」
あ...そういえば。
変態男とタイマンで戦う時、蓮央に言われた気がする。
「てことは...ここに...翠斗、が?」
「あぁ。調べた限りではな」
「そうなんだ……」
「行こう」
翠斗が、ここにいるの...?
驚きつつも、蓮央に手を引かれながら施設に足を踏み入れる。
受付らしきカウンターの中にいる、少し丸いおばさんと目が合った。
ニコリと微笑む、やさしそうなおばさん。
「こんにちは。どういったご用で...?」
「面会に来たんです。川瀬翠斗さんに」
「翠斗くんに...?......分かりました」
目を丸くされたけれど、おばさんは戸惑いながらも誰かに電話をしていた。