【続】Am I What Colors?ー現姫の戦いー
「...俺はお前を信じれなかったけど、」
少しの間のあと。
翠斗は、私を真っ直ぐに見て言った。
「それでも、咲誇が本当に好きだった」
これが、翠斗の本音...なのだろうか。
それとも私をまた惑わす気なのか。
どちらなのかは分からない。
蘇る、過去の記憶。
翠斗と付き合っていて、これが人生で1番の幸せだ、と思っていたあの頃。
人の温もりを、そして...冷酷さを、初めて教えてくれたのは翠斗だった。
それは本当のこと。
あの頃の自分に、嘘偽りはなかった。
「...私も、好きだったよ」
「咲誇...」
「でもね、翠斗。いくら〝許すこと〟が大切なんだって自分に言い聞かせても、私、やっぱりあなたを許せない」
これが私の本音。
私は、優しくなんかない。
ニコニコ笑って『気にしてないよ』なんて言えるいい子じゃない。
一生かかっても、このままじゃあなたを許すことなんて出来ないよ。
だから...
全部、ここで終わりにしよう。