【続】Am I What Colors?ー現姫の戦いー
椅子から立ち上がった私は、ほうけた顔の翠斗を見下ろして、言った。
「...バイバイ、翠斗。
あなたはあなたの新しい道を歩んで」
あなたと私の過去とはここでお別れ。
過去に...さよならするの。
これしか方法が見つからない。
私も、新しい人生を歩みたいよ。
「咲誇...」
「いつまでも過去にすがって生きるのは、もうやめよう。許せても許せなくても、そのことに囚われて生きちゃダメだから」
「...咲誇、俺...」
「翠斗。ここでさよならだよ」
もう会わない。
あなたとは、会わない。
私もあなたも、自由にならなきゃ。
お互いの未来のために。
「蓮央、行こう」
「...あぁ」
蓮央が、私の手を掴んだまま歩き出す。
彼は何を思って私の手を引いているのかな。
いつまで経っても彼を許さない私に呆れている?
それとも私の腹黒さや頑固さに腹を立てている?
でも蓮央、私ね、あなたを椅子で殴った彼を、どうしても許す気にはなれない。
それに彼はきっともっと昔にも、悪いことをしてると思うんだ。
それも、取り返しのつかないようなことを。
たまに夕焼けの赤い空を見上げながら、悲しそうな顔で悩んでいたから...。