【続】Am I What Colors?ー現姫の戦いー
歩は、絶対に叶わない恋をしてる。
どうやら一目惚れらしい。
けど、こんなひょうひょうとした彼でも、内心はきっと憎らしくてたまらないんだろうな。
零羅さんと結ばれない、自分の運命が。
そう考えたら、少し胸が痛んだ。
「歩にも...運命の人が現れればいいね」
「あ?余計なお世話。
つーか運命とか占いとか信じてねぇし」
「うん、歩には僕がいるもんね〜」
「それは違うけどな」
...彼は、『運命なんてない』って言うけど。
私はあると思ってるよ。
あの日蓮央に出逢えたのは、絶対に運命だと思うから。
「お前らー、写真撮るから来いよー」
ああやって無邪気に笑う彼こそが、私の運命の人だと思うから。
...運命ってきっとこういうことなんだ、って心から思えるから。
11月に、私と蓮央は結婚した。
プロポーズは、ひねりも何もなくて。
『永遠に俺の隣にいろよ』
...そんな言葉だった。
こんな時まで俺様だった。
蓮央らしいなと思った。
言われなくても隣にいるよ。
この先ずっと...
死が二人を分かつ、その先も。
私はあなたと並んで歩く。