【続】Am I What Colors?ー現姫の戦いー
「……ねぇ、諒真さん」
蓮央の隣に立って、諒真さんを見上げる。
「私ね…ここのみんなに感謝してる。みんながいなかったら、私はここにいなかった。愛も、友情も、信じることも、何も知らなかったと思うから」
黙って私を見ている諒真さん。
彼は今、何を考えているんだろう。
「諒真さんにも、たくさん助けてもらった。笑うことを忘れていた私を、笑わせてくれた。そのお礼を、したいの」
「さっきー……」
「きっと、みんな同じ気持ちだと思う。
……ね、歩?」
唐突に尋ねると、歩はフンッと鼻で笑った。
「諒真先輩には、世話になってるしな。借りっぱなしは俺の性に合わねぇ」
ほら、やっぱり。
歩も、諒真さんに恩を返したいんだよね。
「諒真……これでもお前は、手を掴まないか?少しは俺らを頼れよ」
圭太が、重みのある声で言う。
すると、伏せられていた諒真さんの瞼が…上を向いた。