【続】Am I What Colors?ー現姫の戦いー
「旅行って、どこ行く気だよ?」
「フフフ…いい質問だ、歩!さすが俺の」
「早く答えろよ」
容赦無く遮られ、少し不服そうな彼はテーブルに頬杖をついて答える。
「……海」
「ばーか。5月に海行って何が楽しいんだよ」
歩……そこまで言わなくても。
まぁ確かに、海開きしてない海に行って楽しい訳が無いけれど。
「……歩のバカヤロー」
諒真さんが、しゅんとして膝を抱えてしまった。
「諒真、そんな落ち込むな。歩も言い方かんがえろよ」
見かねた圭太が仲裁に入る。
さすが圭太……まとめ役。
「だって圭太さん、この時期に海は嫌だ」
「うーん…。
それなら、俺の別荘にでも行くか?」
「べっ…!?」
聞きなれない『別荘』という言葉に思わず反応してしまう。
そうだ、圭太は政治家の息子だっけ……。
別荘の一つや二つ、普通に持ってるんだろうな。