【続】Am I What Colors?ー現姫の戦いー
「あ、彼女来たから行くわ〜。グッバイ」
諒真さんはブロンド美女達に別れを告げ、奈緒に歩み寄る。
「悪ぃな、買わせちまって…って、あれ?
奈緒、飲みもんは?」
奈緒はポカンとして立っている。
落ちた飲み物が、綺麗な砂浜を湿らせている。
「おい、奈緒?どうした?何かあったのか?」
不思議そうに奈緒の顔を覗き込む諒真さんに、久しぶりに腹が立った。
自分が逆ナンされてヘラヘラしておきながら、『何かあったのか』はないでしょ!!
一発言ってやる!!
そう思い、口を開きかけると。
「…諒真さん、いいですよ?さっきの人たちと遊んできて」
奈緒が、俯きながら掠れた声で言った。
「あたしなんかより、さっきの人達のほうがいいでしょ?」
「はぁ?おい、奈緒?」
「あたしは、1人でいますから…大丈夫ですっ……」
泣きそうな顔で笑った奈緒は、振り返って駆け出し人ごみに紛れてしまった。