【続】Am I What Colors?ー現姫の戦いー
どうか、間に合って…!!
あと100メートルくらいで着くというとき、遠くに見覚えのある人影を発見した。
すれ違った誰もが振り返るような、綺麗な銀髪。
180センチはある高身長の彼、諒真さんだ。
腕には、奈緒を抱えている。
「諒真さん…!?」
砂に足を取られながらも急いで駆け寄って息をつく。
腕の中の奈緒は泣き腫らしていて、着ているワンピースがめちゃくちゃに破かれていた。
「諒真さん、これは…!?」
「そこのトイレで変な奴らに襲われててな…。なんとか寸前で止めたんだけどな」
悔しそうに奈緒を抱きしめる諒真さん。
殴られたのか、奈緒は傷だらけだ。
「りょ…ま、さん……」
「ごめん、奈緒。俺が悪いんだ」
奈緒の震える手を諒真さんがそっと握ると、彼女は少し微笑んだ。
「良かった…諒真さん、戻ってきてくれた……」
「な、お……」
諒真さんの目から一筋の涙がつたう。
「ごめんね、諒真さん...。行かないで…。」
「行くわけねぇだろ…!バカ野郎……」
「うん…」
……あれ?
私、お邪魔だよね…?
2人の邪魔をしないよう、そっとその場を離れた。