【続】Am I What Colors?ー現姫の戦いー
「絵里は、どこにでも連れていってくれた。海、プール、遊園地……。楽しくて仕方なかった」
ちくりと胸が痛む。
嫉妬とか、そういうんじゃない。
蓮央の悲しそうな顔を、見たくないの……
「でも、もしかしたら」
蓮央は続ける。
「俺は……絵里に依存していたのかもしれない。甘えてばかりだったからな……。好きだったけど、いつも何か足りなかった」
私の手をギュッと握り、つぶやく。
その温かさが嬉しくて。
でも……どこか、切なくて。
「蓮央……絵里さんのこと、忘れないで。お願いだから…」
「忘れねぇよ…。でも、それ以上にお前を愛してる」
「うん…私も、大好き」
そういうと、蓮央は笑って私の額にキスを落とす。
絵里さんは、とっても幸せだと思う。
遠く離れてしまっても好きな人の記憶に残っていられるって、何よりも幸せなこと。
絵里さんに…会ってみたかったな……
蓮央に愛され、蓮央を愛した人。
きっと素敵な人なんだろうな…