冷たいホットココア
『追伸
私が君に淹れる、最初で最後のホットココアです。
たっぷり、愛情を込めました』
ああ、本当に。
「馬鹿じゃねぇの。そんなもん込められたら、お前を嫌いになんてなれねぇよ」
アイツが淹れる、たった一杯のホットココア。
普通の、だけど特別なココア。
それは。
「何これ、あっま……」
甘くて、しょっぱくて。
なんだか切ない味がした。
冷めたホットココアは、ゆっくりと俺の体に染み渡り。
じんわりと、暖かく。
いっぱいの愛情を感じた。