SMILE AGEIN −先生と貴方の笑顔−

波乱


ご飯も食べ終わって、


昔の話をまたしながら、
兄ちゃんと帰っていた。

すると、突然
兄ちゃんが立ち止まった。



「どうしたの?何か忘れた??」


するとすれ違った人にむけて

お辞儀をした。

あたしもつられて何も分からずペコッとした。

「会社の人とか??」

すると兄ちゃんは少し
歩くのが遅くなり、

「あれは早紀の相手と奥さんだよ。帰ったって事は、話が終わったんだなあ‥‥」


帰りたいようで、帰りたくない。


そう思った。


重い空気と雰囲気が想像できたし、
辛い顔の姉ちゃんも
みたくなかったから。


多分兄ちゃんも同じキモチなんだろなあ‥


「さっ!!!帰るか眞実!」

そう言うと兄ちゃんは
笑顔をつくりあたしをポンと
押した。


「うん!!」
と、あたしは元気よくいうと


「家まで競争ね!負けたら何か罰ゲーム!!!よーいドン♪」



とまるで幼い頃に戻ったように
走った。



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