SMILE AGEIN −先生と貴方の笑顔−
第5章
近づく距離
先生なんで涙流してたんだろ‥
あの後、
あたしはそれもあまり気にせず
部活をした。
陽菜に、あの事をいったら、
「笹川君も男だなー。眞実!!笹川君のためにも頑張って!」
と、あたしは背中をおされた。
少しだけ、グランドにいる先生をまた見た。
夕日に顔が照らされて
先生の真っ赤な顔には
いつもの笑顔があった。
私にはまだわからなかった。
大人の先生のキモチが。
まだ私が子供だからかな?
あの日あの場所で
流した涙のわけを知るには
まだ若すぎなのかな?
先生はまた走って
部活をしていた。
先生の瞳の奥にうつる景色は
涙色に染まっていることに
気付くはずもなく。
私は陽菜と部室へ行った。