青空に、思いを
お母さんは私に近づいて、そっと私を抱きしめた。


「ごめんね、あみ。喧嘩ばっかりして・・・。あみの言うとおりね。こんなの間違ってるよね・・・」



 お母さんは泣いているようだった。



 お母さんの涙が私の肩に落ちた。



「ごめんね」とお母さんは繰り返す。




「もういいよ、お母さん。悪いのはみんなだよ。私も、お母さんもお父さんも・・・。ねぇ、私たち、変わろう?」




「あみは強くなったね。・・・学校で何かあった?」




「うん、いろいろとね。友達も増えてきたし、学校が楽しくなってきた」




 あの学校での出来事で、私は変われたんだと思う。





 いじめなんてくだらない、としか思ってなくて見て見ぬ振りをしていた私。




 いじめられているあゆみを見た葵が、彼女を助けたこと。




 ・・・あのとき、葵に言われた言葉。



『僕は強くなった佐藤さんを見てみたい』



 その言葉で、私は強くなれた。



 その1つ1つが重なっているから、今の自分がいるんだ・・・。





 



 



 
< 20 / 45 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop