青空に、思いを
え、うそ!?




「え、いや、ないでしょそんな・・・。葵が私のこと好きなんて・・・」




「あー、やっぱり知らなかったかー。葵ってなんかあみに対してすごい優しいんだよね。なんて言ったらいいかな・・・あみに対して特別扱いしてるっていうか・・・」




 特別扱い?どういうことだろう?





「んー、例えばどんなこと?」




 私は少しうきうきしたような、不思議な気持ちでたずねた。




「例えば・・・葵って私のことあゆみって名前で呼ぶじゃん?でも、あみのことは佐藤さん。なんで名字なのかって葵に直接訊いたら、『まだ名前では呼びたくない』って。その1点張りで理由は教えてくれなかったんだ」





 名前で呼びたくないって理由だけで、私のことが好きかどうかはわからない。




「他にもあるよ。この前あみと葵、掃除当番だったよね。それであみが『廊下掃除って嫌だよね』って私に愚痴言ってきたときに葵が聞いてたんだよね。そしたら葵が僕が代わってあげるって言って、結局葵が廊下掃除してたりね」



 あ、そんなこともあったっけ。




 でも、葵が私を好きでも・・・私には修哉がいる。



 直接会ったりはできないけど、私は修哉のことを好きでいたい。



 葵も好きだけど、それは恋愛対象としてじゃない。



 



 もうそろそろ、道のまがり角だ。



 私とあゆみはこの道で別れた。



 別れた後、私はずっと考えていた。




 修哉に対しての好きと、葵の対しての好きってどういう違いなんだろう?



 私のこの、あやふやな気持ちは何だろうって。
< 26 / 45 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop