青空に、思いを

きっと、変われる。

「だーかーら、あたしの宿題やってきてって言ってんの」



 2時間目が終わったあとの休み時間。



 教室中、みんなに聞こえるような大きな声で言ったのは金山遥だった。



 それに対して、黙っているのは、さっき授業中に漫画を描いていた成田あゆみだ。



「でも、これは、その・・・金山さんの宿題で・・・」



「はぁ?あたしに逆らう気?もしそうなら、あんたをこれからずっといじめてあげるわ。あんたの高校生活を壊してあげる。ね、漫画オタクさん」




 ・・・これっていじめ?よく1人でできるね。



 小説の中だと、やっぱり集団でいじめるっていうパターンだけど。




 この人はすごい勇気があるみたい。



 それにしても、遥は声がうるさいなぁ。




 小説読みたいのに、大きな声出すもんだから集中して読めない。



「ねぇ、オタクさん。ついでに今日の掃除当番も変わってくんない?あたし、彼氏と今日デートなんだ♪掃除やってる暇ないしさぁ~。あとね~・・・」




 あぁ、本当にうるさい。これからも休み時間のたびにこういうやり取りがあるのかな。



 いじめなんて、くだらないじゃん。



 そう思うけど、遥に言ったら次は私がターゲット。



 周りの人もいじめられるのが怖いから、誰も逆らえない。




 いじめは、その嵐が過ぎ去ってくれるまでずっと終わらないんだ・・・。



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