青空に、思いを
遥とあゆみがついたところは、体育館近くの気味の悪いトイレだった。



 電気はスイッチを押しても点灯しないし、使う人はあまりいない。




「金山さん・・・行きたいところってトイレなの・・・?」



「そうよ。ここなら、誰にも邪魔されずにあんたをいじめられるでしょ?いじめるのにピッタリね」



 あゆみがびくりと体を震わせるのが分かった。



「さぁて、何からやろっかな~」




 遥は近くにホースが置いてあるのに気付いた。



 もしかして、水をかけるつもり?



 私は、少しずつばれないようにトイレの入り口に近づいた。




 遥はホースを蛇口につなぎ、思いっきりひねった。



 バシャッ!と音がしたとき、私はあゆみの腕を引っ張った。



 あゆみは少し足が濡れただけで、私は頭から足まで全身ずぶ濡れだった。



「・・・なんであんたがそこにいるのよ!」



「いじめはよくないってさっき葵が言ったでしょ!なんでそんなことが平気でできるの?私は遥がわかんない!っていうか早く水止めてくれない?もっと濡れるじゃん!」




 遥は水を止めずに、ホースをタイルの床に落とした。



 床が水でいっぱいになっていく。



「これ、あんたが片付けてよね!葵とあみ、絶対許さないから!」



 遥はイライラしながら、その場を去って行った。








 
< 8 / 45 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop