愛しの彼女…愛しの彼…
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とりあえず、メッセージを返してみよう。
いや。
そんな悠長なことしていられない。
彼女に電話を入れる。
呼び出し音が続く・・・
今日は彼女との初めてのデートなんだ。
それも、やっとOKをもらったんだ。
なのに、今になって・・・
オレはこの今日という日をどんなに待ち焦がれていたか・・・
「はい・・・」
やっと電話に出てくれたのは誰?
「もしもし?
相川詩織さんの携帯・・ですよね?」
「はい・・
そうです・・
わたしです・・・」
「声!
どうしたんですか!?」
ハスキーってもんじゃないよね。
しわがれ声ってこういうのを言うよね・・・
「あの・・
風邪かな・・・」
「風邪!?
風邪ひいたんですか!?」
「よくわかんない・・・」
わかんないって・・・
「病院は!?」
「しんどくて行けない・・・」
「てか、それで今日のデートに来れないって!?」
「うん・・・」
「それならそう教えてくれないと!!」
「ごめんなさい・・・」