愛しの彼女…愛しの彼…

 「寝てください。

それか、何か食べますか?」



 「何もいらない・・・」



 「朝から何か口にしましたか?

飲み物は?」



 「お水を・・・」



水て・・・



 「これ、飲んでください。

スポーツ飲料です。

水だけじゃ脱水症状を起こしますよ。」



 「そうなの・・?」



布団に座った先輩に飲み物を渡す。


ふたを開けて、それに口をつける。




やばいやばい・・・


オレの喉も鳴る・・・




色っぽいよ、詩織さん・・・




ていうか、さっきから普通を気取っているけど、実のところ、ずっと心臓がバクバク鳴ってる。




当たり前じゃんね、好きな女の部屋に二人っきりでいるんだぜ。


しかも、相手は無防備。



弱ってる彼女がかわいくてしかたない。
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