青空ライン~君が居た青春~
「マジか。……藤條院学院長って言うんだ、まぁ、俺もしょっちゅう会うわけじゃないけど。」
「男?女?」
「男。この学院のアイドル科の卒業生。」
え、アイドル科なの?!
しかも卒業生って……どういう縁で学院長になったんだろ。
「なんか謎な人なんだよな、学院長って。アイドル科の卒業生なのに、誰も学院長のことを知らないんだ。アイドルとして活動していた経歴の証拠が何もない……謎だろ?」
知らないって……どういうこと?
この学院のアイドルなら、知ってる人は居るはずなのに。
しかも経歴の証拠が何もないって……活動していなかったかもしれないってことでしょ?
「ほんと、謎だね……。」
「だよな……。……ってごめん、倒れた波瑠にいきなりこんな話するとか。波瑠、もう無理はするなよ。どんなに忙しくても、体調が崩れたりしたらすぐ休め……わかったな?」
りょーちゃんは優しい笑顔で私に笑いかけてくれた。
その笑顔、ほんとに大好きだよ……。
「うん……ありがとう……。」