青空ライン~君が居た青春~
波瑠……。
香のこと、気にしてたのか……。
香は……もう届くところにはいないんだ……。
「波瑠……。」
俺は呟くような声で波瑠の名前を呼んだ。
すると、聞こえていたのか波瑠がゆっくりと起き上がる。
「んんっ……ふあ……え、りょーちゃん?!なんで?!」
寝起きだからか、少し髪が崩れていて、それがまた愛らしかった。
「体調、どうかなって思ったから来た。」
「あ、そういうこと……その、心配してくれてありがとう。」
波瑠は少し照れながら俺にお礼を言った。
……言わなきゃ……な。
……少しでも俺は……前に進みたい。
「いや……あのさ……。」
「ん?」
「……俺、波瑠のことが好きなんだ。」
俺は波瑠のまっすぐな瞳をみて、言った。
波瑠はそのまま固まっていて、状況が把握できていないようだった。