青空ライン~君が居た青春~
りょーちゃんが言ってた、噂の学院長かぁ。
合宿が終わったら話をしたいって言ってるらしい的なことをりょーちゃんに教えてもらったっけ。
確か……藤條学院長……だっけ。
そんなことを考えていると、
「波瑠。」
と川村社長に低い声で呼ばれた。
川村社長、普段こんなに低い声で喋ったりしないのに……。
私はすごく不思議に思った。
「これからあなたはどちらかを選ばなきゃならない……あなたの性格上、きっとすごく悩むと思う。でもね、他の人なんて気にしなくていい。あなたがしたいことを選びなさい。波瑠は悪くないんだから……。」
川村社長は私にだけに聞こえる声で言った。
……?
どちらかを……選ばなきゃならない……?
なにを……?
私がすごく悩む……?
私は悪くない……?
私の頭にはいくつものはてなが浮かぶ。
私はとりあえず適当に返事をして川村社長に頭を下げて、学院長室へ向かった。
今から究極の選択を迫られるのは、知るはずもなく……。