青空ライン~君が居た青春~


「とにかく、ぜっっったい言わないから。」

 
「えー……。りょーちゃんは優しい"先輩"だから言ってくれると思ったのにぃー。」


「俺はそんな罠にかかるわけないから。」


「ぶーぶー。」


そんな言い合いが近くで聞こえる。
でもそんなの聞く耳も持てない。
……波瑠ちゃんにとって、僕はどんな存在なんだろう?
考えたことなかったけど、僕はただの昔のモデル仲間なのかな。
それとも大切な友達?
それとも昔からの知り合い程度?
それとも波瑠ちゃんの夢を奪った嫌な奴?

わかんないよ……。
でも知りたいよ……波瑠ちゃんの気持ち。

僕はそんな気持ちのなかただ一人飾りつけをしていた。

……だめだ、こんな気持ちじゃ、波瑠ちゃんの誕生日を心から祝えない。

今は感謝の気持ちでいよう。
波瑠ちゃんが僕達のプロデューサーとして呼べるのは、今日と明日しかないんだから……。



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