青空ライン~君が居た青春~
りょーちゃんはすごく小さな声で言った。
……どうやって弱いところを見せたらいいのか、なんて……りょーちゃんらし過ぎるってば。
人に甘えるのが、大の苦手だったりょーちゃん。
それでも私には不器用なりに甘えてくれたりょーちゃん。
「今、りょーちゃんはこうやって私に弱いところを見せてるじゃん……。私と同じようにしたら……大丈夫だよ、絶対……!」
「……波瑠、ありがとな。」
りょーちゃんの顔は見えなかったけど、きっと優しい顔をしているんだと私は思った。
何よりの根拠は、私がりょーちゃんのお腹に回している手を、温かくて優しい手でぎゅっと握ってくれたから……。
「私ね……、柊くんに聞いたの、still kingの誕生秘話。」
「……そう。」
あれ……いつだっけ。
……たしか合宿の前日だったよなぁ。