青空ライン~君が居た青春~

……僕たちは新学期が始まって以来、波瑠ちゃんと教室で一度も顔をあわせていない。
校舎でたまーに見かけるくらいで、話すことなんてなかったんだ。
 
波瑠ちゃんが僕達のことを避けている……っていうのもあるかもしれないけど、一番の理由はstill kingが急激に忙しくなったからだと思う。

急激に忙しくなった理由は、関係者じゃないから詳しくはわからないけど……きっと、波瑠ちゃんがstill kingの専属になって、still kingのことだけを考えることができる環境が良かったんだと思う。

クラスでは波瑠ちゃんは全然授業も受けてないし、どうやって勉強してるんだろうって気になってたけど、放課後に一人残って先生に勉強を教えてもらっていたり、先輩達に教えてもらっていたりしていた。

……もう波瑠ちゃんがstar - meicarのプロデューサーを降りて、3か月も経ってしまったんだ。

それは長かったのか、短かったのか。
僕達にとって、波瑠ちゃんが居ない生活っていうのは想像以上に面白味がなくて。

自然と僕達は笑顔が消えていて。
star - meicarの空気も悪くて。
いつも一緒に居た僕達は、いつの間にか一人でいることが多くなった。
そして、浩輝くんは練習を休みがちになった。

僕達が波瑠ちゃんを笑顔にしているって思ってたけど。
波瑠ちゃんが僕達を笑顔にしてくれていたんだと、今更なことに気づく。



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