青空ライン~君が居た青春~

皆は黙って藤宮さんのことを見つめる。


「star - meicarって……、前にプロデューサーが居たんだってね。」


「「「「……!」」」」


その言葉に僕達は反応する。
藤宮さんは冷たい表情で、僕達を睨むような目で、言った。


「隣のクラスの神里さん、でしょ?神里さんのおかげで、star - meicarは人気の軌道に乗ったんでしょ?私とは違って、有能なプロデューサーなんでしょ?」


「そうだよ。波瑠にゃんは有能なプロデューサーだよ、すっごく、ね。僕達なんかを、一生懸命プロデュースしてくれた、優しい子だよ。」


浩輝くんは、睨み返すような目付きで、藤宮さんに言い返す。


「……もう、勝手にしてよ、バレンタインイベントなんて。……私、帰るから。」


そう言って、藤宮さんは力任せに椅子においてあった鞄を乱暴に取ると、長い廊下へと消えてしまった。





< 432 / 701 >

この作品をシェア

pagetop