青空ライン~君が居た青春~
アイドルを一人前に育てること?
お客さんを楽しませること?
アイドルを守ること?
なにを……するのがプロデューサーなんだろう。
――ガラ
私はしばらく優斗くんを見つめていると、病室の扉が遠慮がちに開いた。
「波瑠。」
「りょーちゃん……。」
「今日はもう帰ろ。波瑠だってだいぶ疲れてる。」
そう言って困ったような顔でりょーちゃんは私の腕を掴んだ。
こんな状況でも、りょーちゃんは私の心配をしてくれている。ここで帰らない、と言っても、私より疲れているりょーちゃんに迷惑をかけてしまうだけだ……。
そう思った私は、素直に頷いた。
「そうだね……。ごめんね、りょーちゃん。」
「なんともないよ、これくらい。」