青空ライン~君が居た青春~
「神里波瑠様、ですね?」
「えっ……はい。」
「どうぞ。」
そう言って寮の入口が開いた。
……まさか顔パス??
いや、そんなわけない……、あ、ゆーちゃん達が言っておいてくれたのかな。
「ありがとうございます。」
私は窓口のお姉さんにぺこっと会釈して、ゆーちゃんの部屋をめざした。
えーっと、085、だったよね。
私は案内板を見て、085の番号を探す。
……あ、2階の南側か……。
私は急いで隣にあった階段を駆け上がる。
ここは南側だから、階段を上ったらゆーちゃんの部屋はすぐ近くにあるはず……!
階段を上りきった私は、きょろきょろと部屋の番号を確認した。
083、084、……085!
ゆーちゃんの部屋を見つけた私は、迷わずインターホンを押す。
「神里です。」
――「……あ、波瑠ちゃん!開いてるから、入ってきて!」
私はそう言ったゆーちゃんの声を聞いて、高級そうな玄関のドアを開けた。