青空ライン~君が居た青春~

*Ⅱ*ツアー


***

5月1日、午前6時。
雲ひとつない、快晴。
私は、学院の裏門で、持っていくものの最終チェックしていた。


「直山先生、おはようございます。」


「お、神里か。今日までご苦労だったな、忙しかっただろ?」


「そうですねぇ……大変でしたけど、もうツアーで忙しくできないのは、ちょっと寂しいです。」


……そう、私たちは、今日……ツアー初日を迎える。 
ツアーの最終調整をしていた4月は、あっという間に過ぎて、ツアー初日を迎えていた。
毎日毎日、忙しすぎて学業もおろそかにしていた日々だったけど……直山先生やりょーちゃんやゆーちゃんに教えてもらいながら、なんとか過ごしてきた。


「でもツアーを成功させたら……、来年もできるかもなー。学院長は、still kingが一番好きらしいし?」


「えっ、ほんとですか?!」


「あぁ、still kingは人気だし……今回のツアーは大注目されてるしな、当選の倍率もだいぶ高かったらしいし。」


ツアーが大注目されてるんだ……!
私はその言葉に心を踊らせる。



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