青空ライン~君が居た青春~


「あの、これ……見ていいんですか?」


「あぁ、これは……still kingの将来に関わることだからな。この進路希望用紙をみた率直な感想を言ってくれればいい。」


私は直山先生に言われた通り、進路希望用紙を見る。

まずは當真先輩。
當真先輩は学院の大学部に進んで、still kingを続けながら作曲家を目指すのか……。
私は當真先輩らしいな、と思った。

次はりょーちゃん。
私はりょーちゃんの進路希望用紙を見る。
そこには、一言だけ書かれていた。
"ボストンの大学に留学して、演出家を目指したいです"
と。


「……留学、……。」


私はあまりの驚愕の出来事に、頭を鈍器で殴られたような衝撃が走る。
……りょーちゃんが、留学するの……?


「俺、それをみたとき……声をあげて驚いた。留学ってことは、still kingから離れるってことだろ?こんな時期に……。」


りょーちゃんは演出家になるのが夢なのは、前から知っていた。
その夢は、小学生の時から続いていたようで、昔はよくりょーちゃんがどれだけ演出家になりたいか、ということを聞かされていた。

だからって……こんな時期に留学しちゃうの……?
still kingを……おいて……?




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