青空ライン~君が居た青春~
*Ⅱ*still kingの道
***
2月、最終日。
バレンタインが終わった西園寺学院は、一気に卒業ムードになり……。
3年生は受験も終わり(と言ってもほとんどが西園寺学院の大学部へと進むが)、あとは卒業式、卒業ライブをまつのみとなった。
毎日毎日、早く過ぎていく時間。
それは、私とりょーちゃんの残りの時間を意味していた。
……相変わらず、りょーちゃんは私にはなにも言ってくれなかった。
「……あれ、みんな来てる。」
いつものレッスン室に、ゆーちゃん、彼方くん、柊くんが揃っていた。
まだ集合時間まで、一時間あるのに……。
「あ、波瑠先輩。」
「あら波瑠ちゃんじゃない。」
「ん~……。波瑠ぅ……?」
「みっ、みんなはやくない?!」
そりゃ、早く来るのは別に珍しいわけではないけど……皆が一時間前に来るのは、一度もなかったのだ。
「何かあったの?」