青空ライン~君が居た青春~


「私の方こそっ……今までありがとうございました……っ。」


きっとこれは、もう……今しか、伝えることのできないことだと思うから。


「波瑠っ、もー泣き止めよ~!」


「ま、泣いてる波瑠ちゃんも可愛いけどね~。」


「わしはやっぱり笑顔の波瑠ちゃんがいいぞい♪」


私は、なんてこんなにいい先輩達に恵まれたんだろうなって思う。
……先輩達は、厳しい芸能界で生きているなか、優しく接してくれたから。
先輩が……卒業するなんて、考えられないし……嫌だ……。
そう考えると、また、涙は出てきてしまう。


「……っう……先輩っ……卒業しないでくださいー……!!ぐすっ……ううっ……。」


私は、そう言うしかなかった。

そして、りょーちゃんとの別れまで、あと二時間を切っていた。



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