青空ライン~君が居た青春~
「……見送りには……行けないです。卒業式の日、りょーちゃんにはすべて、言ってあるから……。」
私はそう言って、笑って見せる。
瞬先輩と湊先輩は、顔を見合わせて……悲しそうな表情をしている。
川村社長は、そっと静かに目を伏せていて。
……がらりと雰囲気が変わってしまった。
「……そうか。波瑠ちゃん、余計なことをきいて悪かったのう。」
「いえ……気にしてもらって、なんかすいません……。」
「波瑠ちゃん……俺ら、二人のために……なにもできなくてごめんね……。遼を引き留めることも、できなかった……。」
そう言って、いつもはへらへらして笑っている湊先輩までもが、悲しい顔をしていた。
それを見ると、涙が出そうになる。
「そんなこと……ないです。私は、りょーちゃんの夢を応援したいんです。だから……私は大丈夫ですよ?」
湊先輩も、瞬先輩も……きっと辛いはずだから。
私のことを気にしてほしくない……。