青空ライン~君が居た青春~
「波瑠先輩、行きましょう!」
いつの間にか私の前に立っていた柊くんは、私の手をとり、そう言った。
当の私は全く今の状況を理解していなくて、頭を整理するのでいっぱいいっぱいだ。
「えっ?!ちょ、ちょっと待ってよ柊くん……!」
「ほんと、波瑠ちゃんってば……。こーゆー時くらい、アタシ達に頼ってよねェ?」
「ゆ、ゆーちゃん……。」
ゆーちゃんも柊くんの隣にたっていて、私の方を見て微笑んでいる。
「でもっ……私……りょーちゃんにはもう……言ったよ……?」
「わかってるわよ、そんなこと。……でもね、二人が良くても、最後に会わないとか……アタシ達が許さないわ♪……見送った後のことは、アタシ達が支えてあげる。けど、最後だけでも……りょーちゃんを見送ってあげて?」
りょーちゃんとの、最後の時間は……もうないんだと思ってた。
……でも、ほんとは私、りょーちゃんに……。
「さぁ、行きましょう、波瑠先輩。」