青空ライン~君が居た青春~


「ふふ、いってらっしゃい♪」


「いってきまーす。」


そう言って私はスタジオに向かった。
……ゆーちゃんってば、ほんとお姉ちゃんみたい。
そんなことを思いながら、スタジオの扉を開く。


「お疲れ様でーす。」


「あっ、はよ~、波瑠!」


扉を開けるとすぐに、へらへらしてチャラそうな男……同僚の衣装デザイナーの雅也がいた。


「げっ、雅じゃん。」


「げっ、ってなんだよ?俺だってここの社員なんだし、居てて当たり前じゃん?」


そう言って人懐っこい笑顔を見せる雅。
……イケメンだし黙ってればかっこいいのにさ、喋ったらアウトだよね~……。


「まー、そーかもねぇ~。……てか雅、ここにいるってことは……まさか……?」


私は雅がここにいる理由を、なんとなく想像できた……けど、その……まさか……ねぇ?



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