青空ライン~君が居た青春~


「あっ、ねぇねぇ、あの雅って言ってた人って誰なの?」


そう言ってなにも気にせず浩輝くんは波瑠ちゃんに聞いた。
……浩輝くん、代わりに聞いてくれてありがとう。僕、気になってたけど僕はそんなこと絶対聞けない!!


「あー、雅?あれはね~、うちの社員で、衣装デザイナーだよ。私と同僚なんだ。」


「へぇ~、だから裁縫道具箱を何個も持ってたんだね?」


「うん、一応デザイナーだし、親は有名デサイナーだからね。」


……親の七光り……ってこと?
いや、でもなんか……ベテランデサイナーっていう風格が漂ってたような気がする。


「で、雅っていう人とは波瑠ちゃん、付き合ってるの?」


「あははっ、あるわけないじゃんっ!雅はないわ~。……ていうか、雅は元々……付き合ってた人が居たんだよ。今はもう……この世にいない人なんだけどね……。」


この世にいないって……。
亡くなったってことだよね……。





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