青空ライン~君が居た青春~
「僕はパリとかの店通りとか……街並みをバックにした方がいいと思うな?」
「俺は木陰があるならどこでもいい~……。」
「確かに遊佐が言ったエッフェル塔や、有名なベルサイユ宮殿などをバックにしてしまうと、どうしても俺達よりフランスが目立ってしまうからな。」
いろんな意見が出るなかで、唯一私の後輩である柊くんは、私の言葉を待っているらしく、私の隣でじっと静かに聞いていた。
……同い年がいないって、結構きついよね……特にこんな状況は。
そう思いながら、私は皆の意見をまとめるため、頭のなかでぐるぐる考えていた。
……観るひとは勿論だけど、やっぱりモデルである皆にも楽しんでもらいたいから……。
「メンバー一人一人、自分が気に入った場所で撮るのはどう?個人の撮影をそれにして、ユニット撮影やいろんな組み合わせを、その気に入った場所の圏内で選ぶっていうのは?」
私はずっと意見を言ってなかったから、少し皆は驚いてたけど……私はこんなの、いつものことだし……皆はわかってるんだろう、すぐに笑ってうなずいてくれた。
「さっすがプロデューサーだね!」
「いや、そんなことないよ?!ていうか、プロデューサーとしてお金もらってるのに、仕事できなきゃクビだよ?!」
妙に笑顔で誉めてくれる優斗くんに私は戸惑い、変な言い訳みたいな形で返した。
……口にとっさに出したけど……意味が解らないな。