青空ライン~君が居た青春~


「じゃあ、僕はカンペールで撮りたいな!」


えっ……。私は思いもしなかった言葉に驚く。
だって、だって……。
カンペールは、私と優斗くんの、想い出の場所だから……。

カンペールという街は、フランスの北西部に位置する街。
3つの川の合流するところの近くの街で、私達はあることを約束したんだ。

まさか、優斗くんは……その事を覚えているのかな……?


「なら、優斗から先に撮ったらどうだ?」


「そうねぇ、アタシ達は、具体的にあまり決まってないから……きまった人から、撮っていきましょ♪……それでいいかしら、波瑠ちゃん?」


「あっ、うん、それでいこう!優斗くん、一緒に来て?」


「えっ、もう?……あ、まって波瑠ちゃん!」


後ろでくすくすと微笑んでいるゆーちゃんは、私は当然わからなかった。
「早く、前に進んでね……。」
なんて、言っているとは知らずに……。




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