青空ライン~君が居た青春~
「もう、優くんには言ったんだけど……。」
「……遼くん、それは……波瑠ちゃんに言わない方が……いいと思うよ……?」
「……そうかもしれないけど。波瑠はいつかきっと気づくから……。」
二人が話していることに、私はまったくついていけなかった。
私には言わない方がいいってどういうこと?
「俺さ……、日本を発つ直前……余命宣告されたって……言っただろ?」
りょーちゃんの言葉に、私は素直に頷く。
あのとき……確か當真先輩がりょーちゃんに怒ってたのを覚えてる。
なんでいつも一人で抱え込むんだって。
「その余命宣告が……もう……一年をきったから……、今日、波瑠達に会いに来た……。最後の、やらなきゃいけないことをするために。」
そうやって言いながら笑うりょーちゃんは……知らない人みたいだった。
「俺、もうどんなことをやっても生きる道は……ないから……、日本に帰るよ。」