青空ライン~君が居た青春~


「なぁ波瑠、今回のイベント……俺達に全部任せてくれない?」


まさかの驚き発言をする當真先輩。
……ていうか皆も私の方を見て目で語ってるし……。


「……えっ?!衣装もですか?!演出も?!グッズも?!」


「うん、全部。……このイベント、一回きりでいいから。」


當真先輩は、この上なく真面目にしゃべっているから……きっと、本気なんだろう。
うーん~……私は別にいいけど……社長は反対しないかな……?
…………しないか。


「いいですよ。……そのかわり私は一切、イベントの前準備には参加しません。本番だけ、私は手伝うことにします。……でも、衣装だけは雅を使ってください。……それでいいですか?」


「ほんとかっ?!ありがとなっ☆」


皆もほっとしたような、嬉しそうな顔をしている。
……なにか企んでるのかなぁ。
まぁとはいっても皆のことだから……ファンの人達に、みたいな感じだろうな。


「じゃ、私はお先に失礼します。部屋とか色々使ってくださいね?」


私はそう言って、会議室から出た。
……よし。
時間ができたから……そろそろ最後の荷物を下ろしに行こう。
それで……私は本当に……過去を乗り越えられたことになるだろう。

< 671 / 701 >

この作品をシェア

pagetop