青空ライン~君が居た青春~
「なぁ波瑠、今回のイベント……俺達に全部任せてくれない?」
まさかの驚き発言をする當真先輩。
……ていうか皆も私の方を見て目で語ってるし……。
「……えっ?!衣装もですか?!演出も?!グッズも?!」
「うん、全部。……このイベント、一回きりでいいから。」
當真先輩は、この上なく真面目にしゃべっているから……きっと、本気なんだろう。
うーん~……私は別にいいけど……社長は反対しないかな……?
…………しないか。
「いいですよ。……そのかわり私は一切、イベントの前準備には参加しません。本番だけ、私は手伝うことにします。……でも、衣装だけは雅を使ってください。……それでいいですか?」
「ほんとかっ?!ありがとなっ☆」
皆もほっとしたような、嬉しそうな顔をしている。
……なにか企んでるのかなぁ。
まぁとはいっても皆のことだから……ファンの人達に、みたいな感じだろうな。
「じゃ、私はお先に失礼します。部屋とか色々使ってくださいね?」
私はそう言って、会議室から出た。
……よし。
時間ができたから……そろそろ最後の荷物を下ろしに行こう。
それで……私は本当に……過去を乗り越えられたことになるだろう。