青空ライン~君が居た青春~

でも、そんなことを思っていた幸せも束の間。

 
「……え?」


「……?どうしたの、るいるい。」

 
浩輝くんが琉生くんに呼び掛けるも、反応はなく……、開いたスマホの画面をじっと見つめている。
もともと、この部屋には僕ら四人しかいなくて、誰かが喋っていなければすぐに静まり返る。
だから、その静寂が……これからの現実を突きつけていたのかもしれない。


「……橘先輩が……、緊急手術うけて……それからずっと意識が戻らないらしい……。」


「……え……?」


緊急手術、なんて言葉を聞けば……誰だってその本人の状態は悪い、くらいはわかるだろう。


「だ、誰から連絡を貰ったんだ?」


いつもは誰よりも冷静に判断している祥也くんは、今は落ち着いていそうに見えていても、かなり動揺しているようだった。


「遊佐だよ。」


「波瑠は知ってるのか……?」


「いや……知らないと思う……。波瑠に言った方がいいのかって送られてきたし……。」


< 683 / 701 >

この作品をシェア

pagetop