青空ライン~君が居た青春~
でも、そんなことを思っていた幸せも束の間。
「……え?」
「……?どうしたの、るいるい。」
浩輝くんが琉生くんに呼び掛けるも、反応はなく……、開いたスマホの画面をじっと見つめている。
もともと、この部屋には僕ら四人しかいなくて、誰かが喋っていなければすぐに静まり返る。
だから、その静寂が……これからの現実を突きつけていたのかもしれない。
「……橘先輩が……、緊急手術うけて……それからずっと意識が戻らないらしい……。」
「……え……?」
緊急手術、なんて言葉を聞けば……誰だってその本人の状態は悪い、くらいはわかるだろう。
「だ、誰から連絡を貰ったんだ?」
いつもは誰よりも冷静に判断している祥也くんは、今は落ち着いていそうに見えていても、かなり動揺しているようだった。
「遊佐だよ。」
「波瑠は知ってるのか……?」
「いや……知らないと思う……。波瑠に言った方がいいのかって送られてきたし……。」