恋色~何度も君が好きだと…~



新設校ではないが、最近建て直したようで外観を裏切らない校舎内である

受験の時に来て以来だった
そのせいでこの学校の倍率は県内でも、高くなっていた

吹き抜けになっている昇降口の天井から太陽が差し込んできてとても眩しい

私が生きていく世界は綺麗だと感じた
いじめなどない、そんな気がする

真新しい制服、靴、上履き、靴下……新しい生活が始まる


教室のドアを開けるとそこは顔も知らない生徒ばかりだ
あたりまえだけど


教室はざわめいていて、生徒がそこらそこらで固まっている

一人でいる生徒もいる

みんな違う中学ばかりだろうからこのクラスに慣れようと早くも必死なのだろうか

すくなくとも1年間、あるいは一生の付き合いになるかもしれないのだから私も加わらなければ

積極的なのはいいことだろう

話しかけられるのは嬉しいことだと思うし、私は何度も救われた

一人でいるというのは、虚しく、寂しく、傷つきやすくなる、まぁ、私のことだけど

私のメンタルは弱い、自分が嫌になるほどに、小さなことで傷ついて、それをずるずると引きずってしまう

人に嫌われるということはとても悲しいことだ


「大丈夫だって!私がいるでしょ」


モカは綺麗な笑顔を私に向けて励ましてくれる
不安そうにしている私にモカは背中を小さく叩いて言う


「モカはいいよ、かわいいもん…」

「なにそれ」

「女の子も男の子もほっとかないよ」
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