派遣社員の孤独と憂鬱
そして、あの日。


開店前の慌ただしい中で、スタッフがいつまでも煮えきれない僕に詰めよった。

なんとかその場は収めたけど、何らかの答えを出すしかない。

そして出した答えが………、

『悪いけど、今日で店閉めるけん。』

最悪の決断だった。

スタッフへのケアは何一つ出来ていない。

あんだけ、大切に思っていたお客さん誰一人にも挨拶出来ていない。

まだ借金は残ってる。

店辞めて、気持ちは楽になったけど、やることは山積み。

今後のことは後回しに、残務処理に奔走した。
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