派遣社員の孤独と憂鬱
その面談中はここの現場の心構えや、考え方を教えてもらったが一番心に残った言葉はこれだった。

『お前、今後どうしていくんか? 社員になれたらいいな。』

班長の名前は掛布さん。

知り合ったばかりなのに、僕の人生を心配してくれている。

でも、今僕自身に社員になりたいとか、なれるとかいな?とかいう期待があるわけじゃない。

それよりも、まだ仕事にも全然慣れてないし、社員になれたらいいなんて言われたって全然ピンとこないのが本音だった。


その日、仕事が終って部屋に帰りついたのは午前3時過ぎ、思った通りに近所に開いている店などない。

あらかじめ作っておいたカレーを温めて、飢えだけをしのいでいく。

そこには食事をする楽しみなんてものはない。

しかし、僕はもともと料理をすることが出来るが、他の人はどうしてるのだろうか?

毎日、コンビニ弁当?

考えると、恐ろしくなった。


< 33 / 88 >

この作品をシェア

pagetop