派遣社員の孤独と憂鬱

盆休み

盆休みの微妙な日にちに設定された飲み会も終わり、金がない僕は実家に帰ってきていた。

その実家の空気に前とは違う微妙な違和感が感じられていた。

僕が出た3週間前には、こんなに和やかというか、人を気遣うような感じではなかった。

当たり前のことだが、あの頃まではぼくはこの家の一員で、今はお客さんみたいな感じ。

僕も両親には気を遣うし、親も気を遣う。



実は、職を決めて出て行くまでは親子関係はかなり険悪なものになっていた。

なんの相談もなく、急に店を辞めたという僕に父が腹を立てるのは当然のことだろう。

それと前後するように、父自身も神経質になってきていたこともあって、毎日のようにピリピリした空気。

そんな中、ついに怒鳴りあいの大喧嘩。

もしかしたら、初めての親子喧嘩かもしれない。

そして僕は焦るように、派遣への道を決めた。
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表紙・目次

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