派遣社員の孤独と憂鬱

 それで、池田さんのところを手伝ってる時もパレットがなかったから、乗せ替えをしていた時があった。
 
 それも、自分が担当する2号機からパレットを持ってくるために乗せ替えをしている時だった。

 『もう、パレットいらんけん、こっちで作業してくれ。』

 そんなこと言われても、今このままにして戻ったら月曜日の自分の仕事に支障が出てしまう。

 「ちょっと、整理して戻ります。」

 『生産が先や!』

 いやいや、生産は間にあっとうからパレットが回ってこんのやろうもん。

 生意気にも、少しずつ仕事の回り方が分かってきた僕は毒づいた。

 「そしたら、終った後こっちの整理手伝ってもらえます?」

 『いやや!自分でやれや!』

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